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ママ、愛してる

第5章 瀬戸内

「ねえ、幸介。まだ時間も早いし、海水浴に行かない?」

ベランダから戻ってきた由香が、いきなり提案した。
突拍子も無い提案に、僕は戸惑った。

「でも、水着なんて持ってきてないよ。由香は持ってきたの?」

「うん」

そう言うと、荷物をごそごそして水着を取り出した。

「ジャジャ~ン!」

由香は真っ赤なビキニを拡げて、僕に見せた。

「よく持ってきたよね。僕を迎えに来たのか、海水浴に来たのか、いったいどっち?」

「両方。だってさ、いつまでもクヨクヨ悩んでも、仕方がないじゃない?
折角瀬戸内海まで来たんだし、学校も、仕事も、それに、絢子ママのことも忘れて、弾けましょうよ!」

昨日ママの前で号泣していた由香は、いったい何だったのだろう。

それでも、あまりに由香が強引なので、僕は押しきられる形になった。

ちょっと待ってて、と、部屋を出ていくと、10分程で戻ってきた。

「ホラ、幸介の水着」

ブルーのトランクスタイプの水着を僕に手渡す。

「由香お姉さんのプレゼント。
さあ、着替えて。あたしはお風呂で着替えるから」

そう言うと、鼻歌を歌いながら、水着を持ってバスルームに消えた。

僕は言われるままに水着に着替え、バスタオルを羽織って由香を待つ。

由香が上機嫌でバスルームから出てきた。

僕の前で、腰に手をやり、一回転して見せる。

「どう?由香お姉さんも、中々のものでしょ」

初めて見るママ以外の女性の身体は、眩しかった。
バストの膨らみは、ママより大きくてグラマラス。
胸の谷間がクッキリと見える。
ウエストはキュッと締まっていて、モデルみたいな体型だ。
お尻は大きくないけど、貧弱でもない。

顔はママとは違うが、髪型はママに心酔しているだけあって、ほとんど同じヘアスタイル。

「由香もキレイだよ」

僕はお世辞抜きに感想を言った。

「由香も・・・っていうのは、ちょっと引っ掛かるけど、許して上げよう」


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