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ママ、愛してる

第5章 瀬戸内

「どうでしたか、御料理は?」

「あんまり豪華なので、ビックリしました。
とても美味しかったです。でも、ほかのお客様と、余りに差がありすぎて」

由香が答えると
「さすがに絢ちゃんの右腕だね。ほかのお客様のことまで気に掛けるなんて。
でも、お客様のご要望があれば、お出しできる物ばかりだから、気にしないで」

シェフが笑う。

「絢ちゃんって、シェフは母のお知り合いなんですか?」

「知り合いなんてもんじゃない。絢ちゃんは、僕の初恋の女性さ」

シェフが豪快に笑った。


部屋に戻ると、僕は由香の寝たベッドのシーツを剥がした。

「幸介、あたしがそっちで寝るから」

そう言うのを制止して、由香を新しいベッドに寝かせる。

「良いってば」

「でも、絢子ママの、大事な息子だからね。幸介は」

そう言って抵抗する由香を、無理やり新しいベッドに押し付けた。



肩を押さえる僕の目の前に、由香の顔があった。

胸の下で、由香の豊かなバストが息づいている。


僕は、慌てて由香から離れた。

由香の事は、本当に姉のように思っていて、

それ以上に意識した事はなかったはずなのに・・・・。
僕の身体は変化をはじめていた。

今まで一度だって、他の女性に対してこんな風になったこと無かったのに。

僕は狼狽していた。

それを隠すために、僕は由香に背を向けてベッドに横になった。



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