
ママ、愛してる
第5章 瀬戸内
「幸介、寝たの?」
由香の声で目が覚める。
あれから由香が、部屋の照明を絞った。
しばらくして、由香の小さな寝息が聞こえてきたが、僕は眠れないでいた。
身体の変化は収まっていたが、狼狽は続いていた。
何年もの間、ママだけを見つめ、愛してきた。
3月にママと関係ができて、今まで以上にママを求めて来た。
由香は、単にママの喫茶店の従業員で、たまに勉強を見てくれる家庭教師みたいな存在。
それに、昨日、由香がママに愛を打ち明けている現場を見たばかり。
なのに、何で今ごろ・・・。
いろいろ考えて混乱たまま、いつの間にかうとうとしていた。
「幸介」
由香がもう一度呼んだ。
「起きてるよ」
僕は答えた。
「こっちに来ない?」
「何で?」
「少し話したいだけ。嫌だったら、いいよ」
僕は由香の方に寝返りを打った。
「やっとこっちを向いてくれた」
由香が微笑んだ。
「どうしたの?眠れないの?昨日は寝てないんでしょう?」
「うん。でも少し幸介と話したいの。ねえ、こっちに来ない?」
再び誘われて、由香の方に行き、ベッドの端に腰をおろした。
「横にならない?」
由香が端に寄り、スペースを開ける。
「いいよ、このままで」
ぼくが動かないでいると、
「そう」
と言って、話しはじめた。
「昨日ね、絢子ママにコテンパンに振られたよね。
その後、幸介が居なくなって、帰れって言われてたけど気になって絢子ママの家に行った。
そこで絢子ママが号泣するのを見て、あたし思ったの。
絢子ママにとって、幸介はやっぱり息子なんだって」
「どういう意味?」
僕は由香の目を見て尋ねた。
由香の声で目が覚める。
あれから由香が、部屋の照明を絞った。
しばらくして、由香の小さな寝息が聞こえてきたが、僕は眠れないでいた。
身体の変化は収まっていたが、狼狽は続いていた。
何年もの間、ママだけを見つめ、愛してきた。
3月にママと関係ができて、今まで以上にママを求めて来た。
由香は、単にママの喫茶店の従業員で、たまに勉強を見てくれる家庭教師みたいな存在。
それに、昨日、由香がママに愛を打ち明けている現場を見たばかり。
なのに、何で今ごろ・・・。
いろいろ考えて混乱たまま、いつの間にかうとうとしていた。
「幸介」
由香がもう一度呼んだ。
「起きてるよ」
僕は答えた。
「こっちに来ない?」
「何で?」
「少し話したいだけ。嫌だったら、いいよ」
僕は由香の方に寝返りを打った。
「やっとこっちを向いてくれた」
由香が微笑んだ。
「どうしたの?眠れないの?昨日は寝てないんでしょう?」
「うん。でも少し幸介と話したいの。ねえ、こっちに来ない?」
再び誘われて、由香の方に行き、ベッドの端に腰をおろした。
「横にならない?」
由香が端に寄り、スペースを開ける。
「いいよ、このままで」
ぼくが動かないでいると、
「そう」
と言って、話しはじめた。
「昨日ね、絢子ママにコテンパンに振られたよね。
その後、幸介が居なくなって、帰れって言われてたけど気になって絢子ママの家に行った。
そこで絢子ママが号泣するのを見て、あたし思ったの。
絢子ママにとって、幸介はやっぱり息子なんだって」
「どういう意味?」
僕は由香の目を見て尋ねた。
