テキストサイズ

誓いのガーランド

第4章 繋がる輪 3

猫の絵はボールペン一発描きのようで、線に迷いがなく、何度も書き直した様子もない。

……なんか独特な表情をしていて、愛嬌がある。
花実は吸い込まれるように、その絵を見つめていた。

どこかで見たような気がするけれど、思い出せないでいた。
首を傾げていると、同期の女の子が花実に声をかけた。

「すいちゃん、どうした?」

「え、いや、なんでもない」

何となく、同期に見られないように付箋を剥がして、自分の手帳にさりげなく挟み込む。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ