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誓いのガーランド

第19章 嵐のあとに 2

「ねぇ、楓。猫、元気かな」

表情を見ると、少し寂しそうな顔をしていた。
もう3ヶ月も会っていない、神社の猫。
あの白いふわふわが、花実は恋しくなってきた。

「きっと、待ちくたびれてるかもしれない」

花実は、こんな状態になってしまった自分を悲しみながら、おどけたように言った。それは自分のせいではない。
だからなおさら、花実は悲しかった。

「猫に、触れたい」

ぽつんと呟く。ひとつ空白を置いて、寂しそうな笑顔で楓を見た。

「楓にも……」

楓は、そんな花実の気持ちを受け止めるように、しっかりと頷いた。

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