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誓いのガーランド

第19章 嵐のあとに 2

楓は……泣いていた。

今度こそ、空を見上げて誤魔化せないくらいに、知らないうちに大粒の涙が、頬を伝っていた。
花実が自分から、数ヶ月ぶりに自分に手を伸ばして触った。服とはいえ、大きな進歩だった。

少しずつ、あの時から前へ進もうとする花実は、たくましかった。
次から次へと流れ出る涙に、花実の顔が歪む。

楓は流れる涙をどうにかしたくて、花実から顔を背けた。

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