誓いのガーランド
第20章 嵐のあとに 3
「花実、つらくなったらすぐ電話ね」
「うん」
「インターフォン鳴っても出ないこと。郵便も宅急便も今日はないはずだから」
「うん」
「それから、絶対無理はしないこと。帰る前に必ず電話を入れるから、それには出てね」
「うん、大丈夫だよ」
楓は、いくつかの約束を花実に残した。
花実はこの約束の時間がくすぐったくて仕方ない。楓が屈んで花実の目を見て、毎回同じことを言うので、小さい子どもになったような気分でいた。
楓の方も、花実を1人にするのに、かなりのトラウマを抱えている。
過保護なくらい、心配して気にかけた。
「いってきます」
「いってらっしゃい」