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誓いのガーランド

第20章 嵐のあとに 3

画面に大きく写されたその画像を見た時……懐かしさで胸がいっぱいになっていた。
自然と笑みがこぼれる。
深呼吸をすると、その木々の匂いが肺に広がりそうな感じがした。たくさんの緑の中から、セミの鳴き声も聞こえてくるようだった。

写っていたのは、もう数ヶ月も行っていない、職場近くの神社。
そして、赤い鳥居の向こう側には、あの白くて丸い猫がいた。夏だから、日陰の涼しいところにいる。見慣れた香箱座りが涙で滲む。

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