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誓いのガーランド

第20章 嵐のあとに 3

その日の夕食。
2人で食卓についている時、花実は口を開いた。

「わたし、神社の猫に会いに行きたい」

唐突にそう言った花実に、楓は驚きを隠せずにいた。楓が箸を動かしていた手を止める。
聞き間違いだったかもしれない。
目を丸くして、動きを止める楓に、花実も箸を置く。彼女は伏し目がちに言った。

「だめ……だよね、まだ」

外へ出ることに楓も敏感になっていることはわかっていたから、花実は反対されることを想像していた。

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