誓いのガーランド
第21章 嵐のあとに 4
「花実〜、ちょっとこっちおいで」
朝食後、唐突にキッチンに花実を呼びつけた。
いそいそとやってくる花実に、
「これ、開けて」
と楓は冷蔵庫の前に立って言った。
楓が言ったのは、冷蔵庫の扉のことだった。
自分で開ければいいのになぁと、不思議に思いながら、何も考えずに、花実はドアに手を伸ばす。
開けようとした瞬間に
「玄関のドアだと思ってみな」
楓が言う。
ビクッと小さく花実の体が震えて、その途端、ドアを引こうとする手が強ばった。花実の手は魔法をかけられたかのように、固まってしまう。
玄関のドアとは全く、姿も形も違う。
開けたら入っているのは、昨日の残り物とか、牛乳とか、ケチャップとかマヨネーズとか、せいぜい花実に危害を加えるものは入っていない。
それなのに……この手の震えってなんだ。
朝食後、唐突にキッチンに花実を呼びつけた。
いそいそとやってくる花実に、
「これ、開けて」
と楓は冷蔵庫の前に立って言った。
楓が言ったのは、冷蔵庫の扉のことだった。
自分で開ければいいのになぁと、不思議に思いながら、何も考えずに、花実はドアに手を伸ばす。
開けようとした瞬間に
「玄関のドアだと思ってみな」
楓が言う。
ビクッと小さく花実の体が震えて、その途端、ドアを引こうとする手が強ばった。花実の手は魔法をかけられたかのように、固まってしまう。
玄関のドアとは全く、姿も形も違う。
開けたら入っているのは、昨日の残り物とか、牛乳とか、ケチャップとかマヨネーズとか、せいぜい花実に危害を加えるものは入っていない。
それなのに……この手の震えってなんだ。