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誓いのガーランド

第22章 嵐のあとに 5

花実は扉を開けるのを怖がる日もあった。
特に扉の向こう側が暗いと、あの夜を思い出してしまうらしい。
居るはずのない顔を思い出しては、肩で息をしそうになるのをぐっと堪えていた。
そんな花実を、楓は声をかけながら見守る。

「逃げてもいいんだよ」

花実の逃げ道を残しつつ、ペースを守りながら、リハビリに付き合う。
進んだり退いたりしながら、それでも花実が克服したいと思う気持ちを優先して続けた。

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