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誓いのガーランド

第22章 嵐のあとに 5

家中の扉を開け続けて、1週間。
ついに、玄関の扉まで来た。

最初に出かけようとしていた日程とは大幅にズレができてしまった。
でも、ここまで楓と練習してきたことが、花実の自信になっていた。

玄関のドアノブに手をかける。
少し震えていたが、最初ほどではない。
大丈夫、大丈夫。花実が心の中で復唱するのに重ねるように、楓も言った。

「大丈夫、開けてみようか」

その声に背中を押されるように、ゆっくりとドアノブを捻った。
震えながら、ドアに体重をかけていく。

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