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誓いのガーランド

第23章 ひかりの輪 1

玄関のドアを開けられるようになった日。
ふたりで散歩をした。

家から5分圏内のところを、少しだけ。
花実は、楓の後ろを歩き、服の裾をぎゅっと握った。
外に出ると、急に言葉が出なくなってしまった。

事件が起きたスーパーの方には、行かなかった。

「ずっと行けなくてもいいよ。スーパーは、反対側にもあるから」

楓はそう言った。
強いストレスにさらしてまで、克服する必要はないと、判断していたからだった。犯罪に巻き込まれた場所に、わざわざ行く必要はない。
いちばんの目標は、花実がストレスなく外を歩けるようになることだ。

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