テキストサイズ

誓いのガーランド

第23章 ひかりの輪 1

疲れたのかもしれない。
楓が水分補給を促すと、出されたスポーツドリンクをコップで半分くらい飲んで、また目を閉じた。
ようやく、呼吸が落ち着いてきた頃に、花実は口を開く。

「少しだけ、怖かった……」

たった5分の散歩でも、相当な体力を使ったのだろう。体力だけではない。心の方も削られていた。

「外、出た瞬間は、すごく気分が良かったんだけれど、やっぱり、歩いて……すれ違う人が怖いっていうか……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ