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誓いのガーランド

第23章 ひかりの輪 1

無理もない。自分を助けてくれた女性ですら、花実を襲ったのだ。それも、人目のありそうな昼間に。
花実に埋め込まれた恐怖心は、心のかなり深いところまで根を張っている。
これもまた、徐々にならしていくしかないのだろう。

「気分は悪くない?」

「横になってれば治ると思う。少し寝るね」

花実はあまり良くない顔色を強ばらせて、目を瞑る。
楓は、その様子を見てすこし不安を感じた。
また花実が起きなくなるのではないかと恐れていた。
あの、先が見えないような日々を思い出して、身震いする。
外へ出ることへの恐怖心が強くならなければいいなと思いつつ、楓は花実が次に起きるのを待った。

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