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誓いのガーランド

第26章 ひかりの輪 4

「花実、これからも一緒に生きてほしい」

花実は堪らず、止まっていたはずの大粒の涙を零した。頬に軌道を作る涙は次から次へと、とどまることを知らない。
楓と一緒に生きる。
これ以上に花実が望んでいたことはなかった。
だけれど花実は、今まで彼に、自分がしてあげられたことがあっただろうかと顧みる。助けられてばかりだった、この数ヶ月を思い出す。
花実は大きく頷いたあとに、両手で顔を覆った。

「わたしで……いいの?」

「バカ言わないの。花実だから言ってるんでしょ」

楓は少し怒気を含んだ声を出す。

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