テキストサイズ

誓いのガーランド

第26章 ひかりの輪 4

「だって、あんまりにも……あんまりにも嬉しくて。わたしは……わたしはずっと」

花実はまとまらない自分の気持ちを、沸き上がる言葉で伝えようと試みる。

「ずっと、苦しかったときも、今この瞬間もずっと、楓のことが…… 」

でも、喉元まできた言葉はどれも嘘のように感じてしまう。花実はたまらなく悔しくなりながら、必死で言葉を紡いだ。

「でも、言葉にすると違うから、ぎゅってさせて。思いっきり。もう怖くない、震えない。わたしがそうしたいんだ」

花実は楓の目を見て、そう言った。
その瞬間に、花実は楓の首に腕を回していた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ