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誓いのガーランド

第6章 繋がる輪 5

その日は丸一日、仕事が長く感じたことは言うまでもない。

だが、約束した角村を待たせる訳にはいかないと思って、業務を淡々とこなすことで時間を忘れるように仕事をしていた。

長かった勤務時間も終わり、予定していた仕事を全て終えているか確認する。

花実は角村の席を少し確認すると、ちょうど彼も顔を上げたところで、目が合った。
彼が会釈をする。
花実も少し首を動かす。

定時を少しすぎたところで荷物をまとめて、フロアに声をかけると、フロアの扉を押し開けた。
角村も、席を立ち上がって、コートを羽織ったところだった。

何となく、社内で一緒に歩くのがためらわれたので、先に建物の外へ出ようとした。
自然と早くなっている歩調に、自分の焦りを感じた。

ゆっくりと、何度か深呼吸を繰り返す。

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