誓いのガーランド
第7章 繋がる輪 6
喫茶店に入ると、お互い向かい合うようにして、席に着いた。
角村はメニューを花実に手渡した。
「ココアにしようかな……」
花実がそう呟いてメニューを閉じた。
角村はメニューを受け取って片付けると、店員に声をかけていた。
「ココアとコーヒーを、ひとつずつ。コーヒーはブラックでお願いします」
角村の相手への気遣いと、その流れるような動きに、上司たちがこぞって角村を取り合うのがわかる気がした。
一緒にいて心地よい。
花実はそこまで思ってから、入社して6年間、角村と2人きりでこうして喫茶店に入ったことなど、なかったことに気づいた。