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誓いのガーランド

第3章 繋がる輪 2

白をベースに黒の模様が入った猫が、のんびりと立ち上がって、こっちへ近づいてくる。

しっぽが空へと伸びて、その先っぽを花実の方へ向けていた。この仕草は、猫の挨拶。
花実は嬉しくなって、また、

「おーい」

と言いながら、その猫の元へ近づいていった。

陽だまりの中で、2人は距離を縮めた。猫が花実の足元に擦り寄ってくる。
花実はしゃがみこむと、手を差し出し、猫の鼻元へ近づけ、こちらからも挨拶を済ませた。

「おはよう、今日は元気そうだね」

花実は頭の柔らかい毛を撫でる。猫は気持ちよさそうに目を細めると、ゴロンと横になり、ふわふわの毛が生えたお腹も見せてきた。

その仕草がたまらなくかわいい。
無地の白いお腹をふかふかと触りながら、自然と笑みがこぼれていた。

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