誓いのガーランド
第13章 花畑の来訪者 1
「君は作家であると同時に、わたしの彼氏だ。こんなとこで眠れなくて早死されたら困るんだよ」
掃除をしながらそのゴミの多さにいらつきつつ、そう言うと、楓が後ろから抱きついた。
肩に、コツンと、彼が額をつける。
「ごめんなさい……ちゃんと寝てきます」
そのか弱い、泣きそうな声に胸が痛む。
産みの苦しみというフレーズが、花実の頭をかすめる。
何かを生み出すということは、自身の身を削る行為なんだと、改めて目の当たりにした。
花実はぶっきらぼうに楓の頭を撫でると、
「……1時間後に起こす」
とだけ告げた。
「……30分でいい」
抵抗する彼の声を、溜息をつきながら、花実が却下した。今の彼に睡眠は必須だ、心を鬼にして睨みつける。
「だめ。1時間」
楓はそれ以上言葉を発する体力が残っていなかったようだった。諦めて、のろのろと部屋のベッドへ倒れ込み、ものの数秒で寝息を立てた。
掃除をしながらそのゴミの多さにいらつきつつ、そう言うと、楓が後ろから抱きついた。
肩に、コツンと、彼が額をつける。
「ごめんなさい……ちゃんと寝てきます」
そのか弱い、泣きそうな声に胸が痛む。
産みの苦しみというフレーズが、花実の頭をかすめる。
何かを生み出すということは、自身の身を削る行為なんだと、改めて目の当たりにした。
花実はぶっきらぼうに楓の頭を撫でると、
「……1時間後に起こす」
とだけ告げた。
「……30分でいい」
抵抗する彼の声を、溜息をつきながら、花実が却下した。今の彼に睡眠は必須だ、心を鬼にして睨みつける。
「だめ。1時間」
楓はそれ以上言葉を発する体力が残っていなかったようだった。諦めて、のろのろと部屋のベッドへ倒れ込み、ものの数秒で寝息を立てた。