ユリの花咲く
第3章 新人がきた
夕方になって、利用者さんは次々に自宅へ帰っていく。
今日も、イレギュラーなお泊まりはいないので、皆ノンビリと仕事をこなす。
介護日誌の仕上げと夕食提供を深津さんにお願いして、
日帰りの利用者さんの送り出しと、ベッドメイキングを黒木に教える。
それから、お泊まりの利用者さんの口腔ケア、トイレ誘導を黒木と共に行う。
「おはようっす!深津さん、有紀さん、ありがとう!」
今夜の夜勤の、早見拓也が出勤してきた。
「黒木さんっすね。オレ、早見拓也っす。
ここで、いちばん若手ですけど、よろしくお願いします」
拓也は、初対面の黒木に自己紹介をする。
「あ、早見さんですね。黒木祐次です。よろしくお願いします」
黒木も頭を下げて、言った。
「やだなあ、拓也でいいっすよ。みんなそう呼んでますから」
拓也は照れくさそうにいった。
「あの、黒木さん。ちょっといいっすか?」
拓也が黒木をよび、私たちと少し間隔を置いて、なにやら話している。
そしてすぐに戻ってくると
「黒木さん。そういうことで、お願いします」
と、拓也が手を合わせた。
「ええっ!拓也君、何なの?」
深津が、探るような目をする。
「何でもないっすよ。男同士の話です」
「ふうん、どうせ、女の子の話でしょ?」
私は言った。
想像はついていた。
多分、遥のことだろう。
拓也は、遥にご執心なのだ。ライバルを減らそうとして、黒木に釘を刺したってとこかな?
でも、
遥は私のものだよ!
誰にも渡さないからね!
私は心の中で言った。
今日も、イレギュラーなお泊まりはいないので、皆ノンビリと仕事をこなす。
介護日誌の仕上げと夕食提供を深津さんにお願いして、
日帰りの利用者さんの送り出しと、ベッドメイキングを黒木に教える。
それから、お泊まりの利用者さんの口腔ケア、トイレ誘導を黒木と共に行う。
「おはようっす!深津さん、有紀さん、ありがとう!」
今夜の夜勤の、早見拓也が出勤してきた。
「黒木さんっすね。オレ、早見拓也っす。
ここで、いちばん若手ですけど、よろしくお願いします」
拓也は、初対面の黒木に自己紹介をする。
「あ、早見さんですね。黒木祐次です。よろしくお願いします」
黒木も頭を下げて、言った。
「やだなあ、拓也でいいっすよ。みんなそう呼んでますから」
拓也は照れくさそうにいった。
「あの、黒木さん。ちょっといいっすか?」
拓也が黒木をよび、私たちと少し間隔を置いて、なにやら話している。
そしてすぐに戻ってくると
「黒木さん。そういうことで、お願いします」
と、拓也が手を合わせた。
「ええっ!拓也君、何なの?」
深津が、探るような目をする。
「何でもないっすよ。男同士の話です」
「ふうん、どうせ、女の子の話でしょ?」
私は言った。
想像はついていた。
多分、遥のことだろう。
拓也は、遥にご執心なのだ。ライバルを減らそうとして、黒木に釘を刺したってとこかな?
でも、
遥は私のものだよ!
誰にも渡さないからね!
私は心の中で言った。