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ユリの花咲く

第3章 新人がきた

6時少し前に、遥が瑞祥苑に現れた。

「皆さまお疲れ様です!拓也、これ、差し入れ!」

遥は、コンビニの袋を差し出した。

「やった!シュークリーム!でも、オレ、こんなに食べられないっすよ」

「バカじゃない?みんなの分に決まってるじゃない!ねえ、有紀さん」

甘えためで、私を見る。

「うん、拓也君は、な~んにも考えてないからね」

私は話を合わせる。

「黒木さんがせっかく来たのに、歓迎会も出来ないしね。ちょっとお茶でもしましょうか?
今日は3人だし、拓也君も余裕でしょ?深津さんも、いいかしら?」

「はい!オーケーっす!」と拓也。

「いいですよ。私も、別に急がないし、明日は夜勤だから、昼間はゆっくり出来るし」
深津も、賛成した。

「じゃあ、日勤の人が着替えてからにしましょうか?その頃には、山田さんも爆睡してるわ」
私は言った。

「主賓の黒木さんも、大丈夫ですか?明日もお仕事だけど・・・」
遥が、黒木に訊ねる。

「もちろんです。まだ、みなさんみたいに、夜勤はしてないし」
黒木が答えた。

「それじゃ、拓也。佐久間さんと施設長には、明日食べてもらってね。
施設長、明日は黒木さんのトレーニングで入ってくれるって言ってたから」

「了解!じゃあオレ、コーヒー淹れますから、どうぞ着替えて下さい。とりあえず、お疲れ様でした」



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