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ユリの花咲く

第4章 夜勤

「あ~あ、ゴールデンウィークは、有紀と過ごせないのかぁ」

私の腕枕の中で、遥がため息をついた。

「ごめんね、遥」

「ううん、有紀が悪い訳じゃないよ。ただ、ちょっと残念なだけ。
だって、黒木さんがいると、夜、逢いにいけないんだもん」

遥が寂しそうに言った。

「何とか、私の2日間と宮沢施設長1日、合計3日間で一人前にしなきゃね。
頑張るからね」

私は、自分自身にも言い聞かせる。

「うん!信じてる。でもね、あたし、もうひとつ心配事があるんだ」

遥が、言った。

「黒木さんのこと?」

「そう!」

遥が大きく頷く。

「だって、黒木さんって、有紀と同年代でしょ?有紀が相手にしなくても、黒木さんが変な気持ちにならないかなって・・・。
だって、有紀、本当にキレイなんだもん。
あたしが来るまで、拓也が追いかけ回してたって、聞いたもん」

遥は泣きそうな声で言う。

「あははっ!バカねえ。私以外は、みんなお母さんみたいな人ばっかりだったからだよ」

私は笑って否定した。

「それに、黒木さんだって、職場で変な気になったりしないわよ」

「あたしも、そう思うけど・・・」

「大丈夫!私は絶対に遥を裏切らないから」

私は裸の遥をしっかりと抱き締めて、唇を重ねた。

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