ユリの花咲く
第5章 救急搬送
田辺さんは、病院の処置室に運び込まれ、わたしは人気のない待合室で座って待つ。
しばらくして、田辺さんの息子さんが駆け付けて来た。
「親父は?」
「大丈夫だと思います。一時呼吸が止まったのですが、AEDで蘇生されました」
私は、話した。
「夜中だし、仮眠されてたんですよね?」
彼は責めるような口調で言う。
「仮眠は取ってません。きちんと、毎時00分前後に呼吸の確認、2時間ごとに体位変換、午後11時と、午前2時にはオムツのチェックも実施しています。
午前3時に呼吸は正常でしたし、不穏な様子は全く見られませんでした」
私は、事実を伝える。
しかし、息子は納得しないようだ。
「でも、親父の側に付いていたら、もっと早く気付いたんじゃないのか」
「そうかもしれません。でも、お泊まりの利用者さんは、他に3人もいらっしゃいます」
その時、宮沢施設長が現れた。
「あんたが責任者?」
「そうですが」
「この責任は、追及させてもらいますよ」
息子は凄んで見せた。
「結構ですよ。水野はキチンと義務を果たしています。
いえ、義務以上の対応をしています。
私がご自宅でお話したとき、田辺さんは夜中に一2~3回、息をしてるかどうか確認してくれればいいとおっしゃいました」
「それは、言葉のアヤだろう!」
「いいえ。私たちのスタッフには、万一の事があってはいけないから、一時間に一度は必ず生存確認をするように私が指示しましたし、水野はそれに従っていました」
「だけど・・・」
息子の言葉を遮って、宮沢施設長は続ける。
しばらくして、田辺さんの息子さんが駆け付けて来た。
「親父は?」
「大丈夫だと思います。一時呼吸が止まったのですが、AEDで蘇生されました」
私は、話した。
「夜中だし、仮眠されてたんですよね?」
彼は責めるような口調で言う。
「仮眠は取ってません。きちんと、毎時00分前後に呼吸の確認、2時間ごとに体位変換、午後11時と、午前2時にはオムツのチェックも実施しています。
午前3時に呼吸は正常でしたし、不穏な様子は全く見られませんでした」
私は、事実を伝える。
しかし、息子は納得しないようだ。
「でも、親父の側に付いていたら、もっと早く気付いたんじゃないのか」
「そうかもしれません。でも、お泊まりの利用者さんは、他に3人もいらっしゃいます」
その時、宮沢施設長が現れた。
「あんたが責任者?」
「そうですが」
「この責任は、追及させてもらいますよ」
息子は凄んで見せた。
「結構ですよ。水野はキチンと義務を果たしています。
いえ、義務以上の対応をしています。
私がご自宅でお話したとき、田辺さんは夜中に一2~3回、息をしてるかどうか確認してくれればいいとおっしゃいました」
「それは、言葉のアヤだろう!」
「いいえ。私たちのスタッフには、万一の事があってはいけないから、一時間に一度は必ず生存確認をするように私が指示しましたし、水野はそれに従っていました」
「だけど・・・」
息子の言葉を遮って、宮沢施設長は続ける。