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一時を悠久の時へ

第2章 この子誰の子

仕方ない…生憎と俺はまだ不得手だから

阿形と吽形に目配せし幼子の記憶を探らせる

2匹がジッと幼子の瞳を見つめため息を溢す

淡「阿形…吽形…どうした?」

阿「歳は…この子が見てきた
記憶の景色から推測すれば
多分三歳…だけど…」

吽「名前が…わからない…」

淡「何故…名前がわからぬ?」

例えこの子が自分の名とわかっていなくても

阿形と吽形は瞳を覗けば

身内の者が呼ぶ時の名ぐらいは簡単に解るはず

流石に戸籍や生い立ち等細かい事は

もっと修行を積まねば見抜く事は出来ないが

阿「この子…名を呼ばれた記憶が無い…」

名を呼ばれた記憶が無い?

まだ産まれて間もない赤子ならわかるが

流石に三歳なら名前で呼ばれる

その記憶があれば阿形と吽形なら容易くわかるはず

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