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一時を悠久の時へ

第2章 この子誰の子

淡「何故だ?親は名で呼んで無いのか?
例えあの女が親で無くとも
呼びかける時にでも名を呼ぶ筈では?」

吽「普通なら…親や周りの者が名を呼び
子もそれが最初は名とは解らずとも
呼ばれた言葉を名と認識していくのですが…」

淡「まさか…呼ばれて無いって事か?」

幼子の見た目は高い物ではないが

こざっぱりとした身なりで

目に見える範囲には痣らしき物は無い

それでも…連れてきた女の

派手な身なりに引っかかる…

阿「そのまさかってやつです…
あの女はこの子を呼ぶ時は名は呼ばず
『チビ』とか『ねぇ』酷い時は『邪魔』」

俺達の話をキョロキョロと顔を動かして

おとなしく聞いていたが

『チビ』と聞いた時に少し嬉しそうな顔をし

『ねぇ』の時は少し緊張した顔

『邪魔』に至っては無意識なのか体を庇う仕草

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