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一時を悠久の時へ

第2章 この子誰の子

淡「灯りも灯すから怖くないだろ?
俺も腹が減った何か食うぞ」

雛に抱かれていた阿形がクルリと腕から出て

御社の中に入り振り返って尻尾で入れと促す

少し迷っていたのを吽形が後ろから

雛の脚を舐めて鼻先で押すから

擽ったそうにしながらもやっと御社に入り

珍しそうにキョロキョロと辺りを見回す

淡「そんなに見ても何もないだろ?」

モジモジと体を揺すって落ち着かない動作

吽「雛?もしかして…おしっこしたいの?」

コクリと頷くので慌てて阿形と吽形が

奥の厠へ誘導しようと誘うが

雛は解らぬのかモジモジとするだけなので

淡「そいつ等に付いて行け」

促せばトトトッと歩く阿形の後を

トテトテと慌てて付いて行く

横を心配そうに吽形が寄り添って歩く

なんだか久し振りに気持ちがほっこりとする

暫くして3人でニコニコと戻ってきたのが

また微笑ましくつい口角が緩む

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