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一時を悠久の時へ

第21章 道を選ぶ

華「母親となんて…もっと無理だよ
私、優しかったママの記憶…無いんだよ
淡河が多少修正した記憶だからって…
一緒に暮せばまたママが苦しむ事になるかも
それに…私にあの頃の記憶が無くても…
ママが私にした事が消える訳じゃ無いもん」

そうだな…記憶を改ざんしても

あの女の性格が根本的に変わらぬしな

それでも…

淡「その二つの道を選ばず
残りのどちらかを選べば
俺達と同じ長き命になるのだぞ」

華「だから私は最後の道を選ぶ」

淡「何故?転生をすれば
人の世での幸せを幾度か経験した後に
こちらに来るやもしれぬ
また、こちらに来れなかったとしても
それはそれで人としての幸せであろう?」

華炎と共に生きたい想いは変わらぬ

しかし…それは俺達…俺の我儘な想いで…

それが華炎のためになるのか…

不老不死を一部の人なら喜ぶだろうが

果てしない孤独や憤り虚しさ

心が引き裂かれる痛みに耐え

時には非情にならねばならない

それなら…例え別の世でもいい

人として幸せを掴む道があるなら

だから華炎…

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