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一時を悠久の時へ

第21章 道を選ぶ

華「淡河こそ…何故?
転生だと淡河と…
みんなと同じになれないかもしれないんだよ
淡河は…それでもいいの?
……私とは…もう…」

淡「違っ…そんなことは決してない
だが…華炎…本当に良いのか?
俺と俺達と同じ永き時を過ごすのだぞ」

華「ちゃんとわかってるよ淡河
それでもいい…淡河達との記憶が消える…
そんなの…嫌!
記憶が無いとしても…今の私は覚えてるもん
それに…人としての幸せ…たくさん貰ったよ
ととさん…かかさん…淡河が…
私に幸せを教えてくれた
だから…私は…最後の道を選ぶの…
神様になんかになれなくてもいい…
淡河と…淡河達と…同じ世で…
ねぇ…淡河…だめ?
私の選ぶ道…間違ってる?」

華炎…おまえは…いつの間に…

淡「間違いも何も…道を選ぶは華炎だ…
いや…例えそれが間違った道であろうと
華炎がそれを後悔しないで生きられるよう
俺達は…俺は手を差し伸べるぞ」

華「ありがとう…淡河…
そして…ごめんなさい…」

淡「謝る事など何も無い
むしろお礼を言うのは俺の方だ
華炎…最後の道を選んでくれて有難う
…おいっ…そんな所で盗み聞きしてるなら
入ってこいっ!」

欄間の隙間から阿形と吽形が顔を覗かせ

器用に小さな隙間をくぐり抜け

阿形はそのままくるりと一回転して飛び降り

吽形はぴょんぴょんと軽快に

箪笥やらを足場にして下りてきた

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