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一時を悠久の時へ

第22章 宴の後の静けさに

吽「育ての親ですけど
親には変わりないですから
これで縁が切れるわけでも無し
華炎が独り立ち出来るのを
とても嬉しく思っていますよ」

淡「親とは…そういうものか…」

親を知らず、まだ子も得た事が無い故か

そのような喜びは今ひとつわからん

ただ、吽形が心底嬉しそうなのはわかる

その中に一抹の寂しさを隠しているのも…

吽「貴方にもそのうちわかりますよ」

淡「ふむ…まだまだ先の話だな」

吽「まだまだ…ですね〜」

クフクフと含み笑いをしながら酒を呑む

淡「そう…まだまだ…だな」

俺も盃に残った酒を一息に呑み

暫く二人無言で呑んだ

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