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一時を悠久の時へ

第4章 迎え

それはまるで幼き頃の俺が撫でられたようで

ホロリと頬に一筋涙が溢れた

雛「お〜ちゃ?いちゃいの?」

淡「ありがとう雛…お前は優しいな…
雛が撫でてくれたからもう大丈夫じゃ
さぁ朝飯にしよう」

パチンと指を鳴らして

供物にあった米をお握りにして雛に渡す

嬉しそうに頬張るから

喉に詰まらせないかと心配になるが

頬を膨らませてモグモグと一心に食べる姿は

可愛らしいが哀しくもなる

淡「そんなに急がなくても誰も取らぬ
ゆっくりお食べ」

コトリと温めの茶を前に置けば

両手でコクリと飲んで

ふふっと幸せそうに笑ってくれた

雛…俺は決めたぞ…お前が望めば…必ず…

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