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一時を悠久の時へ

第4章 迎え

二人で何をするでも無く

御社の中でゆるゆるとした時を楽しむ

何が面白いのか胡座をかいた俺の上に座り

むにむにと手を摘んで遊ぶから

あまり肉はついていないが

子供特有の柔らかそうな頬を突いてやると

クスクスと嬉しそうに笑う

何時までもこうしていたいが…

そろそろあいつが来る頃だ

淡「雛…そろそろお迎えが来るようだ」

期待と不安が入り混じった複雑な顔で

下から覗き込まれて離し難くなる

淡「雛…これをお前に渡そう」

白地に薄い藍色が一筋入った勾玉を握らせる

雛「…きれいねぇ…でも…」

不安そうな瞳がゆらゆらと揺れる

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