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一時を悠久の時へ

第4章 迎え

鳥居の外に母親の気配がしたので

雛を御社の外に座らせる

狛猫達が忌々しげに女を睨む

そんな事に気が付く筈もなく

御社の前に座っている雛に気が付いて

女が小さく舌打ちをする

雛「……マ…」

母「まだいたの…しょうがない…行くわよ!」

クルリと雛に背を向けて

スタスタと神社から出て行く女の後ろを

雛は慌ててパタパタと付いて行く

狛猫達の所で振り向いた雛が小さく手を振る

石の狛猫達の尻尾がふらりと揺れる

母親は振り返りもしないので気が付かない

置いていかれないように

後を必死に付いて行く雛を見送った

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