一時を悠久の時へ
第6章 阿形と吽形の活躍
阿形と吽形はお巡りに見えない角度で
子供らしからぬ顔で『チッ』と舌打ちをする
阿「お巡りさん!たすけてよ!」
吽「一緒に来て!」
二人でグイグイと若い巡査の腕を掴んだ
巡「ちょっ…そんなに引っ張らないで
ガラスが割れたぐらいなら
君たちだけで行って謝れば大丈夫でしょ?」
吽形の顔が『使えねぇ奴』と歪む
見咎められないように阿行が前に出て
阿「でも…僕達お母さんに知らない人に
ついて行ったりしちゃだめって」
吽「だから…知らない人の家も
二人だけで行ったら駄目なの」
巡「う〜ん…じゃあお家に行って
お父さんかお母さんと一緒に
謝りに行っておいでよ」
阿(まどろっこしいなぁ…
さっさと来いよ!)
吽(しかたないよ…
所詮こいつも人間ですから)