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星が輝く夜に

第1章 プロローグ

「でもその分純粋だし、ほんといい子だよ」

 さっきまで説教する側だったみやちゃんがフォローに回ってくれる。うう、みやちゃんほんといい子……。でも、今まで黙っていた関くんが突然口を開いた。

「別にそんなの気にすることじゃないでしょ。今までいい男に巡り合わなかっただけ」

 クールな声で、クールな仕草で、クールな言葉で。でも、「ね?」と私に微笑みかける笑顔だけは優しくて。ああ、本当に素敵な人だ。そう思った時にはもう恋に落ちていたのだと思う。
 簡単だと、自分でも思う。でも男の子に全く免疫がない私にとって、彼の言葉と微笑みは破壊力抜群だった。それだけでいっぱいいっぱいだったのに、酔っ払っているみやちゃんは更に爆弾発言をした。

「関くん、お願いします!七瀬の処女、奪ってやってください!」

 頭下げるな!重いわ!重すぎるわ!笑顔が引きつっている澤田くんと、無表情の関くん。終わった、この恋一瞬で終わった。ヒクヒクと口角が引き攣る。……けれど。

「俺で、よければ?」

 何故か疑問系の関くんの言葉に私はその場で卒倒しそうになった。簡単にそんなこと言っちゃダメ!恋愛経験0だと簡単にその気になっちゃうんだから!

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