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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第6章 メゾンボナール305号室

仰向けになるわたしに、2人は、大きなベッドの端と端から擦り寄ってくる。

「わわっ」

優も春ちゃんも、わたしの方を向いていてどんどん近づいてきた。
優は、わたしの首の下に腕を通すと、腕枕をした。春ちゃんは、わたしに抱きつくかのように、肩に手を回した。

2人の顔が、両耳のすぐ近くにあって、どうしていいかわからずに固まった。眠りそうになっていたのに、なんかどきどきしてしまい、2人の顔を見ると、優も春ちゃんも、慌てるわたしを見て笑っていた。

大きなベッドの真ん中に、3人でぎゅっと縮こまる。

自分から繋いだ手を離そうと、手の力を緩めると、今度は逆に、2人から手を握られて驚く。

「今日だけだ」

優は、一言だけ言うと目を閉じる。

「暑いって言っても離してやんない」

春ちゃんは、驚くわたしの横顔を見ながらニヤニヤと笑った。

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