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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第6章 メゾンボナール305号室

「……ねぇ、恥ずかしくなっちゃったから、手、離してよ」

明らかに熱くなった頬を隠したかった。

「だめだ」

「やだよ〜う」

優と春ちゃんは口々にそう言う。

両手の自由がなくて、毛布を顔まで引っ張ることもできずに、自分の体を布団に沈める。



「恥ずかしくなっちゃったなんて、かわいいね」


春ちゃんが耳もとで囁く。いつもと違う声色だった。なんか色っぽいその吐息が耳にかかり、ぞわぞわぶるぶると震えて、耳まで真っ赤になる。

「うう、春ちゃんやだ……眠れないから来たのに、更に眠れないよぅ……」

恥ずかしすぎて、なんか心がむずむずした。
決して寒くないのにそわそわしてしまい、お腹の底がきゅっと引き締まって、両足をぎゅっとすり動かす。こんな体の感覚は初めてだった。

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