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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

「白河さん。月経のことだけど、去年の秋から、やっぱり来てない?」

わたしは、思い当たることがなくて頷いた。
腹痛も無ければ、下着に血が付着していることも無かった。

「この年の女の子は不順でもおかしくはないから、心配しなくてもいいとは思う。だけど、白河さんの場合は、栄養状態が良くないことが1年続いたし、内臓を傷つけられてしまうくらいの外傷があったから、やっぱり心配なんだよね。澤北先生の定期検診では、毎回、傷の方は異常なさそうだけど」

井田先生は、わたしの目を見て、ゆっくりとそう話した。栄養状態はここ数ヶ月で劇的に改善された。
しかし、なかなか体重がすぐ増えるわけでもないし、もともと無いものを身につけるのは難しい。

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