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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

優は、俯いたわたしの前にしゃがみこむと、顔を覗き込んだ。

「ちゃんと言え。ちゃんと言ううちは許すぞ」

もしも、いま痛いって言ったら……。
痛いって言ったら、来週の土曜日の病院の予約が早まる気がして、何にも言えなくなってしまった。
せっかくお風呂に入って、気持ちを落ち着けたのに、ざわざわと嫌なことが湧き上がってうんざりしていた。

それに、痛いのはお腹だけじゃない。
わたしのいちばん恥ずかしいところも、さっきより痛みを増してきている気がする。
それを伝えるのが、恥ずかしかった。

ちゃんと言ううちは許す。裏を返せば、ちゃんと言わないと許さない。そういうことだ。
ぎゅっと唇を噛み締めて立ち尽くすわたしを時間いっぱいまで待った優は、無情にもタイムリミットを告げた。

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