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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

もう全部が嫌になって、口をついて出た言葉は、本心ではない。

「春ちゃんも優もきらい!!!!」

言った瞬間に、両手を握っていた春ちゃんの手が緩んで、悲しそうに笑う。優は少し驚きながら、傷ついた顔をした。

こんなこと言いたくなかった、思ってもいない言葉まで、口から溢れ出る。心からの言葉じゃないから、言ったあとの後悔がぐわっと波のように押し寄せてきた。

言ったあとに気づく。
嫌いなのは、優でも春ちゃんでもなくて、自分自身だ。
涙が唐突に喉元まで湧き上がって、小さい子どものようにわんわん泣いた。

腹痛も恥ずかしいところの痛みも酷くなっていって、息が止まりそうな程痛かった。痛みで背中を丸めて、ぎゅっと横になる。でも今はそれどころじゃない。
言ってしまった言葉の後悔に、胸まで苦しくなって痛かった。

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