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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

優が、大きな手で背中を撫でる。
春ちゃんは手を握りながら、わたしの頭を撫でた。

「咲。言ったこと、後悔してるだろ?」

澤北先生から優に戻って、背中を撫でながら優しくそう言った。
何をしていなくても、何でもお見通しだ。泣きながら素直に頷く。

「きらいなんて……おもって、ない」

しゃくりあげながら、言う。
春ちゃんが、気配でふっと笑った。

「よかった。ちょっと傷ついた。でも、咲も傷ついてる。なんで、今日はそんなにイヤイヤするの?」

撫でられている感触が気持ちよくて目を閉じると、自然と言葉が出てきた。

「……いえで、せんせ、に、ならないで……」

家では、優と春ちゃんのままがいい。
この家で、3人で仲良く暮らしたい。
『帰る場所』ができて、うれしかった。わたしの一番の願いだった。

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