優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第8章 本当の話をしよう
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いつもの通学路が、まったく別な表情をしている。
通行止めになって、道路の両脇にズラッと屋台が並んでいた。
チョコバナナ、たこ焼き、クレープ、わたあめ、お好み焼き、かき氷…………それが、道いっぱいに、ずっと続いている。
道には、人も溢れかえっている。
その光景に息を飲んだ。
……これが、お祭りなんだ。
目に映るもの全てが、きらきらと明るくて眩しかった。薄暗くなった夜、屋台の明かりが、わたしと優の横顔を照らす。
「……咲、祭り、初めてか?」
声が出なくて、コクコクと頷く。
夜の街には、いつもの夜にないたくさんの音が響いていた。
思った以上のものに、圧倒される。