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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第8章 本当の話をしよう

咲を真ん中にして、3人でベンチに座る。

花火が上がる大きな音がして、咲が顔を上げた。
しょんぼりしていた顔に笑顔が戻る。

「大きいねぇ……きれいだね」

花火の光に照らされた咲の横顔が、きらきらと輝いていた。
しばらく、3人で並んで、夏の夜空に次々と上がっていく花火を見ていた。
思い出したように、咲が俺の方を見る。
目が合って首を傾げると、その大きい瞳に、吸い込まれそうになった。

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