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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第9章 アメとムチと無知

「咲、お話、最後まで聴いて欲しいな」

春ちゃんがわたしの涙を拭いながら言った。

「大丈夫だ。前回みたいな治療は必要ない。もし、お腹の中で血が固まっても、ちゃんと排出できるように準備しておくのが、今日やることだ」

今日……。これからやるってこと……?

「……何したらいいの?」

早乙女先生の治療は怖くて痛くて恥ずかしかった。そうなる前に防げるなら、防ぎたい。

「早乙女先生のところに行く前日、俺と春斗でやったこと、覚えているか? ……クリトリスへの刺激。あれを、毎月生理が来る前日にやる。そうすれば機械を使うようなことは、しなくてもよくなる」

……どっちにしろ、恥ずかしいことに変わりない。
もう逃げ出したかった。
家で先生にならないでってお願いしたのに、結局、こうなってしまうんだから。
春ちゃんが、ゆっくりとわたしに言葉をかける。

「咲、月に1回だよ。咲が、『家で先生にならないで』って言ったこと、それも大事にしたい。だけれど、早乙女先生から言われてるんだ。これだけは守ってねって」


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