優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第9章 アメとムチと無知
「海行きたい……」
3人でお祭りに行ったのが、楽しかった。
海も、絶対に3人で行ったら、きっと楽しいに決まっている。
楽しかったお祭りの記憶をフラッシュバックさせて、何とか自分を保つ。
「うん。海行こう。膝立てて、足、開いてくれる?」
春ちゃんに優しく言われて、ゆっくりと控えめに足を広げた。怖くて、プルプルと足が震える。
「咲、良い子だね。すぐ終わらせるからね。もう少し開こうか」
春ちゃんはそう言うと、器用に自分の足をわたしの足に絡めて、大きく開かせた。
「っ……?!」
恥ずかしくて、声が出ない。
優の視線が、開かれたその場所に当たる。
「触るよ」
優に晒されたわたしの1番恥ずかしいところ。
そこに、ゴム手袋をはめて、薬を手に取った優の手が、伸びてくる。
わたしは覚悟を決めて、もう一度、ぎゅっと目を瞑った。