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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第9章 アメとムチと無知

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「あ、ちょっと待って」

優がそこに触れる前に、春ちゃんが言った。

「なんだ?」

触れるか触れないかのところで、優が手を引く。
わたしはぎゅっと瞑った目を開けて、代わりに春ちゃんの手を握った。
やめてくれるのかと思って期待をすると、さらに上を行く事態になる。

「優、鏡置こう。そのうちひとりでできるようにしてもいいって早乙女先生が言ってたじゃん」

「……触り方教えるのには、まだ早くないか?」

優は言いながら少し心配そうな表情をした。

「自分のがどうなってるのか見せながら、とりあえず、今日は俺と優で触れる」

「わかった。春斗が教えてやってくれ。俺は少し、溜まってる恥垢とる準備するわ」


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