優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第9章 アメとムチと無知
「俺らがやるよりコントロールできるし、咲自身が恥ずかしくない。もちろん、数ヶ月間は見てあげた方がいいかもしれないけれど。介入できるうちに教えてあげるのがいいと思う」
ため息をつくように、優は息を吐き出す。
「……まぁ、早乙女先生にも、教えてあげてもいいって言われてるしな。でもこのことは、慎重になった方がいい」
「……優は、過保護だねぇ」
優は俺の言葉を受け止めて、部屋を出ていった。
ただの過保護じゃないのはわかっている。優は咲の親として、医者として、迷っているようだった。