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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第9章 アメとムチと無知


俺は、もう一度だけ咲の寝顔を見つめる。
この調子だと、朝まで起きないだろう。
部屋を出て、咲の部屋からクマを持って来ると、咲の隣に寝かせた。

「寂しくないようにね」

言いつつ部屋を出る。
リビングのソファに座りながら、優が俺のその様子を見て笑っていた。

「どっちが過保護なんだか」

そう言われて、俺も笑う。
咲が寝てしまった静かなリビングに、俺と優の控えめな笑い声が響いた。

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