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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第10章 夏の訪れ

わたしはまた、ぎゅっとクマを抱きしめて目を瞑った。なんとなく、春ちゃんに起きているのがバレないようにしなくてはいけない気がして、そうしていた。
気だるそうに起き上がる春ちゃんが、わたしを見つめる。
ふっと笑うと、今度は春ちゃんがわたしの頭を撫でた。

「……起こしたかな」

ふと、春ちゃんが呟く。わたしは目を閉じたまま、首をふるふると振った。

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